栄町小で本番さながら避難所運営訓練

▲避難所の体育館は、新型コロナに対応して整然と区画し、1人~5人家族のスペースを体感

 栄東連合町内会(菊地裕嗣会長)は、10月2日、栄町小学校(東区北36条東13丁目)で実戦さながらの避難所運営訓練を実施しました。これは北海道胆振東部地震の教訓を踏まえて、万が一の時に地域が主体的に避難所を開き、円滑な運営ができるようにすることをねらいに行ったものです。

 この日、午前7時に東区でも震度6弱の地震にみまわれたという想定で、LINEなどによって訓練通報を実施。市職員だけに頼らず、地域が主体になって栄町小に避難所を開設するとして実施しました。まず、午前8時50分に連合町内会の第一分区の町内会、同小PTAの役員24名が集合し、小学校を開錠し、受付や避難スペースの設置、備蓄物資の運搬を行い、迅速に避難住民の受け入れ準備を行いました。

 午前9時50分には、70名余りの住民が避難し、新型コロナにも対応し、手指消毒、検温によって一般避難者と感染の恐れのある住民に区分し、受付後に家族数に応じて避難スペースに誘導します。避難所に落ち着いてからは、2つのグループに分けて、体育館では避難スペースの広さ、備蓄物資の寝袋や毛布の実物の確認、備蓄物資の運搬時の重さの体感などを実施。もうひとつのグループは、校舎内に配置された高齢者や妊産婦の避難スペース、冬季の採暖室、トイレなどの見学、説明を受けて避難生活の大変さを実感していただきました。

 2つのグループは入れ替えて同様の説明、体験を行い、最後に、東消防署の鈴木隆・予防課長から「このような本格的な避難所開設の訓練は初めて、大変すばらしい」との講評をいただき、備蓄物資の配布を受けて解散となりました。栄東連合町内会の中谷・防火防犯部長は、「今後、参加者のアンケート結果を踏まえて訓練内容を改善し、熟度をあげていきたい」としています。

 誰もが災害は起きてほしくないと願っています。しかし、大災害は毎年やってくる時代です。「備えあれば憂いなし」です。栄東地区の安全安心な暮らしを守るため、栄東連合町内会では。毎年、こうした実践的な訓練を実施していくとしています。


▲開設準備は、地域の人の手で避難所の入口を開錠するところから始まりました(市職員の到着が遅れている想定)。開設作業の打ち合わせも入念に

▲備蓄物資班は、栄町中学校側のプレハブ備蓄庫から物資を搬入。物資の配布準備も

▲受付班は、検温での一般、発熱者等の振り分け、一般受付、臨時受付(発熱者用受付)を準備

▲避難スペース班は、体育館の区画をつくり、避難者への注意書きを掲示

▲いよいよ避難者の受け入れです

▲避難者の避難が終わると2つのグループで講義です。体育館では、スペースの体験、備蓄物資段ボールの重さや寝袋や毛布の材質を体感

▲もう1グループは、学校全体の避難スペースの区画、採暖室や調理場所、救護室、受水槽など説明に耳を傾けました