無理をせず、そっと見守り。栄町団地で意見交換会

 6月19日、高齢者が増加する中、道営栄町団地で安心して暮らすためにはどうしたらよいかを考える意見交換会が開催されました。これは、高齢者相談機関(東区介護予防センター栄・丘珠、東区第三地域包括支援センター、東区保健支援係)がコーディネートし、道営住宅栄町団地の皆さんと北海道住宅管理公社の3者が集まっての情報共有・意見交換会です。

 同団地は高齢化が進んでおり、一人暮らしで気になる高齢の方が少なくありません。42名の単身高齢者が居住し、管理公社も安否を確認する安心コールを実施し、現在、7名が利用されているそうです。

 3機関からまず、事前に何人かの役員にヒアリングした結果の報告がありました。高齢者の半数くらいは、安心コールや幸友会といった集まりにも参加せず、どこにもつながらないし、支援が必要かもわからない、階段昇降が大変で上階の方はなかなか降りてこない、既存の集まりには参加しにくいとの声もある、チャイムを鳴らしても出てい来ない人も、今までの内容の集まりでは人が出てきてくれない、などの「気になる人」の悩みが続出でした。

 報告の後、2つのグループに分けて「気になる人」はどんな人で、「あったらいいな」と思うことを話し合いました。報告と同様に関わり合いを嫌う人、足腰が弱っても助けを求めてこない、最近は特殊詐欺対策で電話に出ないひともいるなど、気になっても接点を持てない人についての情報がありました。

 やはり、集める機会、お茶会や楽しい催しがあったらよいと思うが、役員も高齢化してなかなか新た取り組みができないとのジレンマを抱えているようです。新型コロナで失なわれた3年は非常に影響が大きく、町内会の担い手の高齢化もあいまって、深刻な状況が見て取れました。

 このため3機関などからは、「かかわりを持ちたくない方を無理に引き込むことは困難。遠くからそっと見守ることも一つの方法。かかわりを持ちたくない人の情報も、隣近所や役員から集めることは可能であり、まず、そうした情報を得られる役員や住民のネットワークを大切に、いつでも助けられる状況をつくっておくことも一つの方法」というアドバイスもありました。

 3機関からも、体力測定会、介護予防の講話、企業による介護予防のセミナーなどのイベントの支援ができること、また、気になる高齢者がいた場合の相談対応や掲示板を活用した高齢者相談機関の周知などを継続する旨の申し出がありました。

 この団地で起きていることは、栄東地区のどこでも大なり小なり発生する問題です。一朝一夕で解決することは困難ですが、今後もこのような情報共有や意見交換を継続し、課題解決を目指していくこととして意見交換会を終了しました。

グループごとに意見交換する参加者のみなさん
進行する介護予防センター栄・丘珠の加藤センター長

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