認知症は怖くない!幸せに暮らすコツ。福まち健康講座

 栄東地区福祉のまち推進センターの健康講座が、3月22日、日の丸会館で開催されました。これは、同センターが地域のみなさん向けに毎年開催しているもので40名が参加されました。今回のテーマは、人生100年時代に誰もが罹る可能性のある認知症を取り上げました。

 栄東地区には、札幌いそべ頭痛・物忘れクリニックという認知症の専門医療機関があり、磯部千明・院長をお招きして、「認知症はもう怖くない!~アルツハイマー型認知症の予防法および発症しても幸せに暮らすコツとは?~」と題して、患者さんの実際の症状などを交えながら、ご講演いただきました。

 よく認知症は、「診断しても治らないから受診しない(早期診断の遅れ)」方や「介護者が行動・心理症状に巻き込こまれ受診(事後的対応)」などの課題が多いと言われます。先生からは、認知症の4つの代表例や「治療しうる認知症を見逃さないこと、認知症でないはせん妄、うつなど、認知症患者よりも大変な介護者心理ケアが大切であること、患者本人と介護者の行動・心理症状予防などを心がけること、物忘れで発症しない認知症にも注意することなどのお話がありました。

 また、予防で大切なのは、社会的な孤立を避け、知的なコミュニケーションを図り、人生の生きがいを見つけること、運動によって全身、脳の血流をよくすること、魚や野菜をよく取り、よく噛むこと、適度な飲酒と熟眠(昼寝を1時間以上しない)など説明がありました。さらには、認知症の方との間に起こることを問題行動と情緒的に捉えず、見方を変え、認知症の人の世界を理解し、怒りのスイッチを入れず、否定的ではなくポジティブに存在を認め誰もが普通に安心して暮らせる地域を目指そうと言われていました。まさに、認知症フレンドリー社会を実現しようという先生のポリシーを感じさせるご講演でした。


▲講演いただいた医療法人札幌いそべ頭痛・もの忘れクリニックの磯部院長